WEB会議を効果的にするビデオ通話のマナー

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リモートワークやテレワークが普及し、必要に迫られていざWEB会議を実施してみたものの、いつもの会議と勝手が違ってなかなか思うように進まない。そうして結局会議のたびに出社することに……なんてなってしまっては意味がありません。

そこで今回は、オンラインコミュニケーションに慣れ親しんだ人間の立場から、WEB会議をより効果的にするためのビデオ通話のマナーについて解説します。

WEB会議をまだやったことがない方も、何度かやったけれどいまいち上手くいかなかったという方も、ぜひ参考にしてください。

WEB会議は「効率」よりも「効果」が重要

 何事も「もっと効率的にやろう」とついつい考えがちですが、本当に大事なことは「効果的であるかどうか」です。

まったく効果のない筋トレをいくら効率的にこなしても意味がありません。

同じように、会議においても追い求めるべきは「効果」であって、時間短縮などの「効率」は二の次です。

この考え方は、Googleの掲げる「効果的なチーム」を参考にしました。

Googleでは、効果的なチームに必要な要素として以下の5つを掲げています。

  • 心理的安全性 – 「チームの中でミスをしても、それを理由に非難されることはない」と思えるか。
  • 相互信頼 – 「チームメンバーは、一度引き受けた仕事は最後までやりきってくれる」と思えるか。
  • 構造と明確さ – 「チームには、有効な意思決定プロセスがある」と思えるか。
  • 仕事の意味 – 「チームのためにしている仕事は、自分自身にとっても意義がある」と思えるか。
  • インパクト – 「チームの成果が組織の目標達成にどう貢献するかを理解している」か。

「効果的なチームとは何か」を知る|Google re:work

WEB会議を効果的にするためには、これらの要素を正しく理解して、正しくケアする必要があるのです。

WEB会議を効果的にするビデオ通話のマナー

どうやって効果的なWEB会議を実現するのか、ここからは具体的にビデオ通話のマナーを解説します。

機材や環境に配慮すること

まずはじめに、最低限の機材をそろえることと、最低限の環境を整えることを欠かさないでください。

これはさきほどの「効果的なチーム」に必要な要素のうち、主に「心理的安全性」に関わるポイントです。

中途半端に慣れた人ほど、適当な機材と適当な場所でWEB会議を実施しようとしますが、そういう適当さは相手に伝わります

大事な会議を、その辺の喫茶店で開いたりしないですよね?大事な話なら、誰にも聞こえないところでするでしょう。

WEB会議でスペースが必要ないからと言って、オフィス内の適当なところで行わないこと。最低限のノイズが入らないところで行いましょう。少しでも人の話し声が入ると、相手は途端に話しづらくなります。

機材に関しては、パソコンのスピーカーでなくせめてイヤホンを用意しましょう。

少人数での通話ならゼンハイザーのヘッドセット、話者が複数いるような会議にはスピーカーフォンがおすすめです。

いくつか使った感想としては、価格によって差はあるものの、音質のクリアさより接続の不備による遅延や途切れのほうが気になるので、まずは安価な製品を揃えておけば十分だと思います。

事前に接続テストをしておくこと

WEB会議の前に、必ず接続テストをしておきましょう。これも心理的安全性に寄与するポイントと言えなくもないですが、当然のマナーと考えたほうが分かりやすいかもしれません。

たとえるなら、対面の会議をするときに会議室の掃除やセッティングをすることに等しいので、最初の1回だけでなく毎回しっかり行いたいところです。

>>接続機器(マイク/スピーカー/カメラ)テスト

WEB会議ツールに備え付けのテストを使ってもいいのですが、二度目以降の接続の場合、テストをはさまずダイレクトに接続してしまうケースもあると思います。

そうした場合に便利なのが、上記リンク先で提供されているような接続機器テストです。

カメラ・スピーカー・マイクの接続テストができるWEBページがあるので、WEB会議の実施前に接続して、カメラとマイクの状態、ついでにWi-Fiの接続状態が問題ないかなどをチェックしておきましょう。

なお、接続機器のテストが終わったらテストページは忘れずに閉じること。接続機器がそちらを優先してしまって、肝心のWEB会議に繋ぐことができない、なんてミスが発生しかねません。

事前に資料を作り込むこと

これはオフラインの一般的な会議でも当然と言えば当然なのですが、特にお互いにWEB会議に慣れていない場合、ファシリテーションもままならないケースが多いです。

そんなときに、思いつくままに話していては時間がいくらあっても足りませんし、そもそもオンライン通話に慣れていないならなおさら、まともに意思の疎通が取れるかどうかもあやしいです。

対面なら伝えられる微妙なニュアンスが、ビデオ通話では伝わらない・読み取れないことも珍しくありません。

そうした微妙なニュアンスに注意を払うためにも、事前に用意できるところは事前に用意して、流れはある程度固めておくことをおすすめします。

伝わるはずのニュアンスが伝わらない。そうなると、効果的なチームに不可欠な「仕事の意味」も伝わらなくなってしまいます。

余裕のあるスケジュールを設定すること

「心理的安全性」や「仕事の意味」をきちんと伝えるための下ごしらえとして、会議の前後5~10分程度は雑談できるくらいの余裕をとっておくと、より会議が活発になりやすいです。

そもそもWEB会議の場合は人のあつまり方も対面の会議とは少し異なるので、開始時間の設定と会議時間の設定に気を払わなければいけません。

もし60分話し合いたい議題があるのであれば、会議時間は70~80分程度がベスト

冒頭の5~10分はうまく接続ができなかった場合のバッファとして、後半の5~10分は話が伝わっていなかった場合の質疑応答時間として、それぞれ確保しておくことをおすすめします。

どちらもうまくいった場合は、そのまま雑談できるようであればしてもいいですし、もちろん早めに終わったということで切り上げても構いません。

雑談したうえで時間通りに終わればそれでよし、早く終われば次回以降のWEB会議への印象もよいものになるので、回を追うごとにやりやすくなっていきます。

いざというときの連絡手段を用意しておくこと

回線の不具合など、何らかの事情で時間に遅れることも考えられますし、あるいは会議中に突然回線が遮断され、声や映像が届かなくなるといったケースもあります。

そんなときのために、ビデオ通話以外の連絡手段を用意してからWEB会議に臨むようにしましょう。

チャット・メール・電話などなど、方法はさまざまですが、できるだけ「相手もリアルタイムで確認できる方法」がベストです。

ただし、もしも相手が携帯電話でWEB会議をしていた場合、携帯電話へコールしてしまうとビデオ通話自体が途切れてしまう可能性があります。

まずはビデオ通話ツールに備え付きのチャットなどでやりとりして、どのように連絡を取るべきか相談してもいいでしょう。

カメラはできるだけONにすること

WEB会議をするときに、特にビデオ通話に慣れていない人は音声のみで参加したいと希望するかもしれません。

しかし、お互いの得る情報が統一されていない会議はかなりぎくしゃくしますので、相手の事情に配慮はしつつも、可能な限りカメラをONにしてもらえるよう説得しましょう。

これはずばり、心理的安全性を確保するためです。

一方は顔を見せているのにもう一方はなぜか顔を隠している。その状態で相手を信用しろと言うのはちょっと難しいですよね。

もしもどうしてもOFFにするという場合は、その事情を参加者全員で共有してください。

それも、「Aさんは家庭の事情があって……」などとぼかすのではなく、「Aさんはご家族と同室で作業されているのでカメラ接続は難しいそうです」と、はっきり共有することが大切です。

人が集まった段階で点呼を取ること

全員の回線と接続機器のテストのためにも、WEB会議開始時点で点呼を取ることをおすすめします。

これは実施していない企業が多いと思いますが、個人的にイチオシの方法です。

きちんと通話が繋がっているかどうかの確認って、慣れていない人にとっては結構手間ですし、かといって省略したまま会議を進めてしまうと肝心の人に話が伝わっていなかったというケースに陥りかねません。

またそのWEB会議がお互いにはじめましての場合は、一人ひとりの名前を呼ぶのと合わせて、ファシリテーター(進行役)も一人ひとりに対して「はじめまして、○○です」と簡単に挨拶しておきましょう。

そんな大げさな、と感じるかもしれませんが、WEB会議はただでさえコミュニケーションが希薄になります。

なかでも特に希薄になるのが、進行役と参加者の関係性ではなく、参加者同士の立ち位置です。

最初に進行役が各参加者と軽い挨拶を交わすことで、進行役自身だけでなく、その参加者が進行役にとってどういった立場にある人間なのかを伝えることができます。

さらにそれだけでなく、進行役が話したあとに、どの程度の間をおいて話せば聞き取りやすいのかが客観的に確かめられるといったメリットも。本当に良いことづくめですので、ぜひ試してみてください。

参加者は原則マイクをミュートにすること

進行役が会議の進行を始めたら、参加者は原則としてマイクをミュートにしましょう。

WEB会議に不慣れな人が集まっている場合には、各自の意識・マナーとして「守りましょう」とするのではなく、「発言していただきたいタイミングで改めて声をかけるので、それまでマイクはミュートにしてください」と具体的に指示を出すことが重要です。

ミュートによる弊害もあるのですが、不慣れなうちはミュートにしておいたほうが無難。

ミュートにしなかったせいで生じるハウリングや環境音によって、会議そのものが中断されるケースもままあります。その都度「○○さんマイクを切ってください」などとやっていたのでは、時間がかかるだけでなく話が伝わらなくなってしまうのです。

なお、細かいことですが参加者に話を振った際は進行役がこまめにマイクをミュートにすることも大切。話すときだけ解除して、普段は常時ミュート、くらいの感覚が理想的ですね。

役割分担&タイムキープは必ずすること

経験上、WEB会議は対面の会議に比べて最小の人数で実施しようとする傾向があります。

しかしこれこそ効率を重視しすぎることによる悪しき慣習だと感じていて、WEB会議では人数を減らしすぎると会議が成立しなくなることがしばしばあるのです。

たとえば、資料を作った人間がそのままWEB会議を進行する場合、話を振るのもその人なら、話をまとめるのもその人。さらに書記まで務めるというケースも珍しくありません。

そうなると、当然ですが進行役はキャパオーバーとなり、拾えていたはずの意見が拾えなかったり、議事録に残すべき内容を残し損ねたり、といった致命的なミスが発生します。

こういったことのないよう、WEB会議では進行役と書記は最低でもわけて、加えてタイムキープまでしっかりするのがおすすめ。

スマホのタイマーで構いませんので、ひとつひとつのトピックの進行時間をしっかり記録しましょう。

カメラで伝わるリアクションを心がけること

ビデオ通話では、大げさなリアクションを心がけましょう。

音声はミュートにしていることが多いはずなので、たとえば相づちを打つときは大げさに頷くなど。

またカメラ越しだと相手の目を直視しやすく、普段の会話以上に相手の目線が気になるものです。

ちょっとパソコンの脇にあるものが気になって目をそらしたり、カメラの範囲外の人とアイコンタクトを取ったり、そういうささいな仕草も相手に伝わります。

そのため、なるべく目線を泳がせずにまっすぐカメラを見つめるという意識も大切です。

また同様の理由から、眠そうな表情やつまらなそうな表情なども敏感に伝わります。

そんなつもりがなかったとしても、「ボーっとパソコンの画面を見る表情」はしばしば退屈そうに見えてしまいますので、いつも以上に表情を引き締めることをおすすめします。

個別の意見がほしいなら別の機会を設けること

人数の多いWEB会議で、バランスよく意見を求めるのは至難です。

発言機会を平等にするために進行役から参加者へ話を振っていくという手もあるにはありますが、個人的にこれはあまり効果がないと思っています。

効果がないどころか、むしろ逆効果と言ったほうがよいかもしれません。

なぜかというと、それで解決できるのは「言いたいことはあるがWEB会議の場で委縮して言えていない人」であって、状況としてはとても限定的だからです。

実際は言いたいことがある人はかなり稀で、大半の人はそもそも言いたいことなんてありません。だから話を振られても困りますし、そのときに出る意見は高確率で「本当に言いたかったことではないこと」です。

「本当に言いたかったことではないこと」を絞り出して、それに会議の時間が取られてしまうのは本末転倒。

そのため、どうしても個別の意見を聞きたいなら、その会議でどうにかしようとするのではなく、別途1on1ミーティングなどの機会を設けることをおすすめします。

普段から「熱を伝える」工夫をし続けること

ここまで紹介したようなことはとっくにやっている、それでもどうも上手くいかないんだ。

そういう方は、普段から熱を伝える工夫をしていってみてください。

オンラインコミュニケーションで最も難しいのがこの「熱を伝える」という点で、これに関しては小手先の対策はまったく意味がなく、普段から伝えていくしかありません。

WEB会議で意見が出ないのは、ひとえに温度感の違いによるところが大きいんです。

進行役や、資料を作った人間にとっては自分ごとに思える会議でも、「参加させられる側」からしたらまだまだ熱が伝わっていなくて、ピンと来ていません。

熱が伝わらない、というと抽象的かもしれませんが、つまるところ危機感がないんです。

なぜこの会議を開くのか?何を決めたいのか?決まらないと何がまずいのか?

会議でまとめて伝えるのではなく、現状を逐一共有していきましょう。

定例で開催すること

WEB会議は、ただでさえお互い勝手が分からない状態で開催することが多いので、なるべく定例で開催して回数を重ねていくことが重要です。

効率を求めるとついつい議題があるときだけの開催としてしまいがちですが、議題が少ないときほど、声を上げづらい人が意見を出してくれたりします。

効率は考えずに、あくまでも効果を追い求めましょう。

まとめ:求められるオンラインコミュニケーションへの対応力

ある人はWEB会議で伝えられる情報を、ある人は対面でしか伝えられないとなると、スピードもコストも比べ物にならなくなってしまいます。

仮に同じクオリティの会議を、WEBで実施できる企業と対面でしか実施できない企業があった場合、その差は歴然です。

「すべてWEB会議で済ませるなんて不可能だ」と思われるかもしれませんが、実際にすべての会議をWEBで済ませる企業はすでにあります。

たとえばそのひとつが、オンラインアシスタントサービスを展開するキャスターです。

キャスターでは「リモートワークを当たり前にする」と掲げているだけあって、現在は700名以上がリモートワークをしており、そのノウハウを活かしたリモートアカデミーも提供中。

WEB会議だけでなく、リモートワーク全般でお困りの方はぜひ確認してみてください。

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