Web編集者は未経験でもなれる?現役編集者が仕事・スキル・報酬を解説

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「クラウドソーシングなどでWeb編集の仕事を見かけたけど、未経験で手を出しづらい……」「在宅でできるちょうどいい仕事を探している」「Webメディアの編集ってどれくらい給料がもらえるのか知りたい」

そんな方へ今回は、Webメディアの編集者がどんな仕事をしているのか、またどれくらいの給料をもらうことができるのか、などなどさまざまな情報を、未経験からWeb編集者になった私の実体験をもとにご紹介します。

Web編集者は未経験でもなれる!

改めましてこんにちは、元プロクラウドワーカーの市川円です。私は数年間クラウドソーシングでライティング業務を受注していたWebライターだったのですが、ひとつの案件をきっかけに、Web編集者として活動し始めることになりました。

そのときはライティング実績を見て「編集者になりませんか?」とスカウトしてもらったのですが、ずっとライティングをやっていたので編集者として仕事をした経験は一切ありませんでした。

そのため、ライティングも未経験で編集者になるのは難しいかもしれませんが、ライティングの経験がそれなりにあれば未経験からWeb編集者になれる可能性は十分にあると言えるでしょう。

Web編集者の仕事について

それではここからは、Web編集者に求められる業務内容について解説します。担当する業務内容は、大きく分けて4つです。

校正:漢字・文法・レギュレーションなどのチェック

ライターさんから上がってきた原稿に対して、てにをはなどの助詞の使い方が適切かどうか、漢字は正しいかどうか、またメディアごとに定められたレギュレーションに則っているかどうかなどをチェックします。

出版業界では編集とは別に「校正」専属の担当者がいることが多いですが、Web編集者の場合はこれも編集業務に含んでいることがほとんどです。そのためWeb編集者には最低限の国語力が求められます

校閲:日時・場所・固有名詞などのファクトチェック (事実確認)

校閲は、日時、場所、そして人名や商品名などの固有名詞の事実確認を行う業務のことです。これも校正と同じく、Webでは切り分けられていない場合が多く、そもそも校正と校閲という業務の切り分け方を知らないメディアも少なくありません。

そのため業務内容に記載がなかったとしても、「編集」という言葉の中にこれらの作業が含まれていると思っておいたほうがよいでしょう。

校閲に必要なのは、博学さと常識力です。いかに一般的な感覚が身についているかが問われる業務で、普段からいろいろな媒体に目を通して鍛えておく必要があります。

構成作成:記事構成の検討、記事テーマの選定まで含むことも

いわゆる編集業務の花形、クリエイティブが発揮できる構成業務です。記事の見出しや内容を考え、ライターさんへ発注するための骨子を作ります

この作業だけを編集と呼ぶ場合もありますが、構成作成はかなりレベルが高い作業のためやれる人が限られ、実際にはこれ以外の作業の比重が多くなる傾向にあります。

またメディアによっては、Web編集者が自分で記事のタイトルやテーマを選定してライターへ発注する場合もあり、その際はキーワードプランナーなどの各種ツールへの理解も求められます。

進行管理:ライターさんとのコミュニケーション全般

記事の依頼、提出された記事のチェックとフィードバック、執筆にあたって必要なリサーチ、取材の準備、そのほか雑談などなど、ライターさんとのやりとりは多岐に渡ります。

そしてライターさんと強固なリレーションを築くことは、良い編集者にとって必須のスキルです。ライターさんに信頼してもらい、良質な記事を納品してもらうためにも、コミュニケーションスキルが求められます。

ただし、経験則から言うと、いわゆる八方美人的な器用さはあまり必要ありません。それよりも、一対一で真摯に話し合えるかどうかが重要です。特にWeb編集者の場合はテキストベースでのやりとりが多くなるので、文字情報で意思疎通が測れるかどうかが問われます

Web編集者に必要なスキル

大まかにWeb編集者の仕事内容を紹介しましたが、どこまで担当するのかによって得られる報酬も変わってきます。今回は時給を目安に求められるスキルを解説しますので、「案件を見ただけでは仕事内容がよくわからない」とお悩みの方は、ひとつの参考にしてみてください。

なお、編集1本いくら、という形で請け負う場合、1記事あたりの編集時間は3時間換算で計算されていることが多いので、時給=編集1本の単価÷3時間と見ていただくと参考にしやすいと思います。

時給1000円強なら校正がメイン

時給1000円程度の案件は、校正がメイン業務であることが多いです。Web編集者が何人かのライターさんを担当し、提出された記事をチェックして公開、といった流れが一般的ですね。

逆に、この時給で校閲などまで求められると作業時間的にかなり割に合わなくなってしまいます。時給なら割に合うもなにもないのでは?と思われるかもしれませんが、支払いは時給だとしても月当たり何本といった形でノルマを割り振られることもあり、作業量が増えると元々想定していた時間で収まらなくなってしまうのです。

スキルを身につけるため、経験のため、と割り切れる場合はいいですが、できるだけ事前に定めた時間内で作業したい場合には気を付けてください。

時給1500円前後なら全業務を満遍なくやることも

時給1500円前後になると、校正・校閲・構成作成・進行管理、と全般的に担当することもあるでしょう。ただ網羅的な業務になる反面、ひとつひとつの専門性はそこまで求められません。

この金額帯はメディアによってかなり求めているものが異なるため、主に扱っているジャンルやカテゴリから判断してもよいでしょう。例えば商品紹介が主なメディアの場合、メーカーからのクレーム対策として商品名や商品紹介の内容に関する校閲はとにかく気を払う必要がある、といった具合です。

Web編集者として募集されている案件のほとんどは、このケースに該当すると思ってよいでしょう。

時給2000円以上は何かしらの専門性が必要

時給2000円以上の案件は、何か特化した専門性が必要です。例えば、事実確認は事実確認でも、薬機法に理解があって美容品や化粧品の紹介ができる、など。通常はリーガルチェックに通す必要がありかなりコストがかかってしまうので、薬機法に精通したWeb編集者はかなり重宝されるでしょう。

またその他にも、SEOマーケティングに精通していたりSNSマーケティングに精通したりといった、いわばマーケターとしての動き方ができる編集者も活躍できます。

未経験からこの水準でチャレンジできることはなかなかないと思いますが、Web編集者として経験を積めばこの程度までは十分報酬があがると言えます。

Web編集者が向いている人・向いてない人

最後に、仕事内容や報酬などから、Web編集者が向いている人について解説します。

一番向いているのは子育て中の主婦・主夫

子育ても少し落ち着いたけれど、いきなりオフィスワークに復帰するのはちょっと……という方がもっとも向いていると言えます。Web編集者はリモートワーク可能な案件がほとんどなので、1日4~5時間集中して取り組む余裕があれば、たいていのメディアで問題なく働くことができるでしょう。

時給1000円だとしても、1日5時間で5000円、月20日で10万円稼ぐことができます。ふつうにバイトやパートで稼ぐ場合に比べて交通費や食費などの経費も抑えられますので、決して効率は悪くないと言えるのではないでしょうか。

基本的に時給なので副業としてやるのには向いていない

Web編集者は時給で報酬が支払われるケースが多いので、スキマ時間にこつこつやるような副業にはあまり向いていません。というのも、ライターとのやりとりが発生する関係上、1本単価では契約しづらいというクライアントが多いのです。

そもそも週あたり20~30時間は確保できないと契約できないメディアがほとんどなので、副業としてWeb編集者を考えている方はあきらめた方が無難かもしれません。

しっかり編集者としてスキルを身に着けたい人にはおすすめできない

ここまでWeb編集者について解説してきましたが、当事者の立場から言って、一部の有名メディアを除いてまだまだWebメディアの編集者のレベルは低いです。もちろんこれは、私自身も含まれます。

低いというと少し語弊がありますが、「自分たちの業務に自覚的でない人が多い」のが現状です。その結果、前半で紹介したような「校正」「校閲」といった業務の区分すら意識していない媒体が多く、言語化されていないまま全般的な業務をやることになる、というケースは珍しくありません。

もしも、出版などでも通用するような編集者としてのスキルを身に着けたいなら、ある程度ノウハウが体系化されている編集プロダクションなどに入ることをおすすめします。ただしその場合、年収はほとんど期待できません。

そのぶん、半年から1年程度在籍するだけでも、Webメディアではまだまだ経験しづらい取材や撮影といった経験をすぐに積むことができます。なお入る場所を選ぶときには、ベテラン編集者がいるかどうかを目安にするといいですよ。

Web編集者って完全在宅でできるの?

ここまでリモートワーク(在宅勤務)のケースとオフィスワークのケースを一緒くたに紹介してきましたが、特に地方にお住いの方の場合など、短時間でもオフィスに出社することが難しいという状況もあるかと思います。

そういった方のために、在宅で仕事できるのかどうかもはっきり解説しておきます。

結論:できます

そういった場合にも、完全フルリモートでWeb編集者として働けるメディアは、数は少ないと思いますが確かにあります。

実際、私も一番初めにWeb編集者として働き始めたときはフルリモートで、各種チャットツールやビデオ電話などを使いながら仕事していました。リモートワーク自体が初めてだったので若干の心細さのようなものはありましたが、仕事するうえでライターさんなどと連絡を取るのに支障は特に感じませんでした。

強いて言えば雑談などをする時間がほとんど取れない点は残念でしたが、そのぶん自分の時間を確保しやすいので、働き心地は非常によかったです。

ただし「数が限られる」&「裁量も限られる」場合が多い

しかし、いかんせんそういったフルリモートの案件は需要も多く競争が激しいです。ただでさえ数が限られるWeb編集者の案件の中で、フルリモートの案件を未経験からゲットするのはなかなか難しいかもしれません。私のように、ライター枠から編集者枠を狙うのが現実的かもしれませんね。

またもしWeb編集者になることができたとしても、リモート編集者には大きな裁量を与えられないメディアも少なくありません。これは企業側の対応力の問題なのですが、やはりオフィスに赴いて打ち合わせができる場合に比べると、気軽に取材など頼みづらい分、内勤の編集者に比べると裁量は与えられません。

「ゆくゆくは編集長もやりたい」といった希望がある場合は、初めから通える範囲のオフィスを探した方が無難でしょう。

まとめ

Web編集者について、業務内容や報酬のことなど幅広く解説してきましたが、疑問は解決できたでしょうか。

実際にやってきた立場として、Web編集者は在宅でリモートワークするのには非常にうってつけの職業だと感じています。フルリモートでは難しいですが、小さなメディアならそのまま外部の人間に編集長を任せるケースも珍しくないので、もし興味のある方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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