【人の不幸を喜ぶ本能】シャーデンフロイデの原因と対策

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自分よりも優秀だった人が失敗をすると、どこか安心して喜ぶ自分がいる。そんなこと考えちゃいけないと思いつつ、嫉妬の炎はそう簡単に消せるものではありません。

それもそのはず、この「人の不幸を喜ぶ感情」は脳がもたらす正常な反応なのだそう。この感覚があるからこそ人は社会で暮らしていけるとも言えるので、人が社会性のある動物である証明ともいえるのかもしれません。

しかし、必要以上に妬み嫉みに心を揺り動かされるのは気持ちがいいものではありません。シャーデンフロイデはいわば必要悪のひとつであり、なくそうとするのではなく使いこなすことが大切です。そこで今回は、シャーデンフロイデの原因と対策についてまとめました。

ついつい人の失敗を見て喜んでしまう自分が嫌いだという方は、ぜひ参考にしてください。

参照論文シャーデンフロイデの喚起に及ぼす妬み感情と特性要因の影響

シャーデンフロイデとは

それでは早速、シャーデンフロイデの定義、原因、性別による差異、子どもにもあるのか?といった基礎知識から解説していきます。

シャーデンフロイデは「ざまあみろ」の感情

シャーデンフロイデとは、「いい気味だ」「ざまあみろ」といった言葉にもみられるような、他人の不幸を喜ぶ気持ちのことです。

もともとシャーデンフロイデはドイツ語で、シャーデン=害・フロイデ=喜びを組み合わせたものですが、英語ではRoman holidayという言葉が同じ意味にあたります。

こちらは「他人を苦しめて得る利益・楽しみ」という意味で、もともとローマ帝国で行われていた奴隷同士の戦いを見世物としていた風習に起因するそうです。

シャーデンフロイデの原因

シャーデンフロイデがなぜ起こるのかというと、これは脳の本来の機能だと考えられています。

脳科学的には、シャーデンフロイデがあることによって「ずるをした人を見逃さない」機能が働き、そのおかげでみんな社会のなかで真面目に努力するのではないか、ということです。

シャーデンフロイデが働かない場合、極端にいえば、詐欺で成功を収めた人が追及されることがなく、その社会は搾取し合うものになりすぐに破綻してしまいます。

つまりシャーデンフロイデは、他人の不幸を喜ぶという機能があることによって、社会全体の利益を支えていることになるのです。

シャーデンフロイデは男女間でも差がある

研究によれば、シャーデンフロイデを抱く割合は性別によって差があることが分かっています。

性別を理由とした妬み(自分よりもモテる同性を妬む、など)をきっかけとしたシャーデンフロイデは、女性よりも男性のほうが感じやすいのだそうです。

シャーデンフロイデは子どもでも抱く感情である

シャーデンフロイデが脳の本来の機能だと考える理由のひとつに、小学生にも「他人の失敗を喜ぶ感覚」がすでに芽生えているという実験結果が挙げられます。

テストの点数が自分よりも高かったクラスメートが、次のテストで失敗したとき、小学生もまたシャーデンフロイデを感じるというのです。

シャーデンフロイデの例

他人の不幸は蜜の味だなどと信じられない。自分はそんな感情を抱いたことがない、という方もいるかもしれませんが、一般論としてシャーデンフロイデが起こる人のほうが多いことは明らかです。

たとえば、テレビや雑誌におけるワイドショーの報道はまさにこれを利用していて、芸能人の不倫が視聴率を集めるのはシャーデンフロイデが働くからこそでしょう。

理性的に考えれば不毛に思える行動原理も、脳の本来の機能であり、社会にとっての必要悪と考えればまた少し見方が変わってくるのではないでしょうか。

シャーデンフロイデの条件

シャーデンフロイデが沸き起こる状況には、3つの条件があります。

  1. その人に対して嫉妬心を抱いている
  2. その人自身が原因で不幸になった、など妥当な理由がある
  3. その不幸があまり深刻ではない

その人に対して嫉妬心を抱いている

まず、シャーデンフロイデが起こる前に、その人に対して嫉妬心を抱いているということが前提となります。

性別・年齢・職業・地位・所持品などにおいて、自分に近いはずなのに自分よりも上位の何かを持っている他人に対して、人は嫉妬します。

その不幸に妥当な理由がある

そして自分よりも上位の何かを持った他人が、その人自身のしでかした失敗が原因で不幸になったときに、シャーデンフロイデの感情が沸き起こるのです。

災害や事故など、あまりに理不尽な原因による不幸に対してはシャーデンフロイデは起こりません。

交通事故に遭った、と聞いた場合と、飲酒運転が原因で交通事故に遭った、と聞いた場合とでは受ける印象が違いますよね。これがシャーデンフロイデに繋がります。

その不幸があまり深刻ではない

ただし、その不幸が人の死に関わるなど、あまり大きく深刻なものの場合はほとんどシャーデンフロイデは観察されないそう。

先ほどの例で言えば、「交通事故に遭った」だけならばまだしも、「交通事故で家族を失った」となるとシャーデンフロイデにはつながらないのです。

勉強の成績や仕事の出来、恋愛の失敗など、日常的な不幸に対してシャーデンフロイデは起こりやすくなります。

シャーデンフロイデを対策するには

シャーデンフロイデの原因、そもそも人に備わっている理由が社会的な利益のためだとすると、これを完全に解消することは現実的ではありません。

とはいえ、嫉妬はされるほうはもちろん、するほうにとってもあまりいい感情ではありませんから、必要以上にシャーデンフロイデに振り回されるのは避けたいものです。

そこで大切なのが、「誰かを糾弾する行為に正当性はあるか?」を都度考えるということ。

シャーデンフロイデはよくもわるくも目立つ人に対して抱く感情ですから、それが行き過ぎるとバッシングへ繋がります。しかし、そのバッシングは何のためのものかを考えることが重要なんですね。

ここでいう正当性とは、道徳や倫理観に照らし合わせたときの正義か悪か、ではなく、「その人ひとりを吊るし上げることが社会全体にとって利益となるか?」という意味での正しさです。

シャーデンフロイデそのものを否定したり、自分の正義を盲目的に信じたりするのではなく、あくまでも本来の目的に従って社会全体の利益を考える。

その冷静さを常に持ち続けることがなによりも大切です。

まとめ

他人の不幸を喜ぶ、などというと反射的に耳をふさぐ方も多いと思いますが、その実態は「社会全体の利益に繋がる人間本来のシステム」であることを知れば、その捉え方も多少変わるのではないでしょうか。

シャーデンフロイデの対策に限らず、あらゆる思い込みや先入観、認知バイアスと呼ばれる感覚とうまく付き合っていく一番のコツは、冷静でいることです。

本能に振り回されておわらないよう、ぜひ頭を動かしていきましょう。

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