繊細で敏感で、外から与えられる刺激や人の感情にすごく影響を受けてしまうにも関わらず、自ら刺激を追い求めてしまうというHSS型HSP。相反する気質を併せ持っているせいか、生きづらいという方が多いタイプです。
HSPの妻が生きづらさを感じているというので、ひょっとして該当するのではと思い、今回はHSS型HSPとHSPの違いについて調べ、妻がHSS型HSPなのかどうかを調査してみました。
また、調べる中でHSS型HSPと外向型HSPの違いについても知ることができたので、こちらも合わせて解説します。
自分や身の回りの人が、HSS型HSPに当てはまるかどうか知りたい、という方におすすめです。
HSPはすっごく繊細な人

まずはHSPの特徴から。HSPは一言で言えば、とにかく繊細な人のことです。
このページにたどり着いた方は、すでに何かしらHSPについて調べられてるかと思いますが、念のため代表的な特徴を下記に挙げておきます。
- 人混みがとにかく苦手
- 騒音やまぶしい光に弱い
- 痛みに弱い(注射などが極端に苦手)
- 他人が怒られている様子を見ると自分が怒られている気分になる
なおHSPは気質の話なので、病気や障害ではないため医療機関での診断はされず、また生まれ持ったものなので治療できるような類のものでもありません。
その辺りも含めてHSPについて詳細に知りたい方は下記をどうぞ。
HSSは刺激を追い求める人。別名「刺激追求型」とも

HSSは、High Sensation Seekingの略で、意味は「刺激を求めること」です。
HSSは「刺激を好む人」と誤解されやすいのですが、実際には「刺激がないと落ち着かない人」「刺激が少なすぎると不安になる」という表現の方がしっくりきます。
望んで刺激を得たいというよりは、刺激があるほうが本能的に落ち着く、正常な状態になる、といったニュアンスですね。
なお、HSSもHSPと同様に、気質の話であり診断や治療はできません。また、性格の話でもありませんので気を付けてください。

例えば「背が高い」という身体的特徴があっても、それで性格が決まるわけではありません。HSPにせよHSSにせよ、あくまで特徴のひとつとして考えましょう。
HSSってHSPだけに当てはまるの?非HSPには当てはまらないの?
「HSSというものはHSPだけに当てはまる考え方なのか?」という点について、Webリサーチをした際に少し気になったので補足しておきます。
HSSは心理学者のマービン・ズッカーマンさんが提唱した考え方のひとつで、これは人間は大きく分けて「HSPか非HSPか」「HSSか非HSSか」の2×2=4通りに分けられる、というものです。
この考え方に則るなら、HSS型HSPもいれば、非HSPのHSS型もいることになります。
しかし一部の記事や書籍では、「HSS」という言葉が「HSS型HSP」とまったく同義として表現されている場合もあるようですので、この点は注意しておいた方がよいでしょう。
HSS型HSPは繊細なんだけど刺激を求めちゃう人

さて肝心のHSS型HSPについてですが、前項で挙げたHSPとHSSの両方の気質を併せ持つのがHSS型HSPです。
つまりHSS型HSPは、人混みへ行くとぐったり疲れてしまうほど繊細な気質を持ちながら、刺激が得られる状況に自ら向かわずにはいられない気質も持っています。
HSPの繊細で深い洞察力と、HSSの刺激を追求する衝動的な性質が共存する様子は、実際にHSS型HSPの人の言によれば「片足でアクセルを踏み、もう片方でブレーキを踏んでいるよう」だそうです。
HSP=内向的ではないし、HSS=外向的でもない
現在一般的に「HSP」と語られる場合、その内容は大半が「HSP=内向的」として語られたものです。
また同様に、HSS型HSP(もしくはHSS)について語る場合、その内容も「HSS=外向的」として語られるものが多いよう。
しかし実際には、HSPの中で内向的な人は70%と言われています。つまり、30%の人はHSPでありながら外向的な性質を持っているのです。
ちなみに、外向的HSPのことをHSEと言います。
内向的と外向的の違いを簡単に言うと、人(外)と関わることに楽しみを見出すか否かです。
詳細は参考記事をご覧ください。

そしてもちろん、「内向的HSPのHSS型」もいれば、「外向的HSPのHSS型」もいることになります。
よくある誤解として、「外向的なら非HSPなのではないか」というものがありますが、これは少し危険です。
この誤解により、本人もHSPであることに気が付けない人は多くいます。ぜひこのあと紹介するチェックリストを試してみてください。

私もまったく気が付いていなかったのですが、いろいろと調べているうちに自分がHSEに該当することが分かりました。「自分はHSPでもないのになんでこんな打たれ弱いのだろう」なんて悩まないでくださいね。
HSS型HSPの診断にはセルフチェックリストがおすすめ

HSS型HSPかどうかを見極めるのには、HSPの提唱者であるエレイン・アーロン博士のHPで紹介されているチェックリストが便利です。
実際にHSPの妻にも試してみてもらったところ、数問答えただけでも明らかにHSSではないことがはっきりしました。
それは極端な例ですが、やってみることで「それもHSSの傾向なのか」と理解を深めるきっかけにもなると思いますので、ぜひ試してみてください。
HSS型セルフ診断テストの設問
以下が、HSS型セルフ診断テストです。
- もし安全なら、未知の新しい体験ができる薬をやってみたい。
- 会話によってはひどく退屈になる時がある。
- 行ったことのある好きな場所にもう一度行くよりも、好きにならないかもしれないけれど知らない場所の方へ行ってみたい。
- スキーやロッククライミング・サーフィンのようなスリルのあるスポーツをやってみたい。
- 長い間家にいるとイライラする。
- 何もせずにじっと待っているのは嫌い。
- 同じ映画を二度見ることはめったにない。
- あまりやったことのないことをするのが楽しい。
- もしなにかめずらしいことを目にしたら、わざわざ寄り道をしてでも確かめに行く。
- 毎日同じ人たちと一緒にいると飽きてしまう。
- 君のやることは予測がつかないと友人たちに言われる。
- 知らない場所を探検するのが好き。
- 日課はもたないようにしている。
- 強い体験を与えてくれるアートに惹きつけられる。
- 気分を高揚させてくれる物質が好き。
- 思いもつかないようなことをする友だちのほうが好きだ。
- 新しい知らない場所へ行ってみたい。
- もし旅行に行くお金があったら外国へ行きたい。
- 探検家になってみたい。
- 誰かが性的なジョークを飛ばしたり、性的なことを口にして、みんなが気まずそうに笑うような時でも、自分はそれを楽しいと感じる。
HSS型セルフ診断テストの採点方法
HSS型セルフ診断テストの採点は、男女で少し異なります。
女性の場合、11個以上当てはまった場合はおそらくHSSです。7個以下の場合はおそらくHSSではありません。8~10個なら両者の中間です。
男性の場合、13個以上当てはまった場合はおそらくHSSです。9個以下の場合はおそらくHSSではありません。10~12個なら両者の中間です。

「中間ってどういうこと?」とも感じますが、HSSにせよHSPにせよ自己診断になるので、あくまでも目安として参考にするのがよいでしょう。なおHSP自体のチェックリストは下記をご覧ください。
HSS型HSPになる原因は?
HSS型にせよHSPにせよ、その原因は先天性のものであり脳の違いや遺伝子によるものではないかと考えられています。
この点について興味のある方にはこちらの記事がおすすめです。
まとめ
繊細さや敏感さに特化したHSPと、刺激を追求してしまうHSS型を併せ持つ人は、一般的にとても生きづらさを感じていると言われています。
なお、チェックリストの内容に「中間」という表現があった通り、HSPにせよHSSにせよグレーゾーンが存在します。
HSPか非HSPか、HSSか非HSSかの4通り(あるいは内向的外向的を含めた8通り)で見るのではなく、「HSP的な傾向があるかも」「HSS的傾向はあんまりないかも」ぐらいのあいまいな捉え方をしたほうが扱いやすいかもしれません。
特に、すでに生きづらさを感じている方は、セルフ診断で仮にHSSやHSPに当てはまらなかったからといって「自分はHSSでもHSPでもないのになぜ生きづらさを感じるのだろう」などと自分を責めないでくださいね。
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