HSPは遺伝するのか|親や兄弟にHSPが多い理由とは

この記事は約5分で読めます。

「HSPは遺伝的性質だ」とする意見を見かけたのですが、それって本当なの?と気になったので種々の研究などを調査してみました。

HSPが遺伝するのかどうか気になっている方の参考になれば幸いです。

なお基本的なソースは、HSP提唱者であるエレイン・アーロン博士の記述が元となっておりますが、後半の「血縁者にHSPが多い理由」以降は個人的な考察を多分に含んでいます。

参考としていただく際はご注意ください。

>>エレイン・アーロン博士について

HSPは遺伝するのか

結論から言ってしまえば、現状では遺伝するかどうかは分からない、というのが答えのようです。

アーロン博士は、著書The Highly Sensitive Personで「HSPは先天的なものであり生まれつきのものであり遺伝的形質である」と説明しているものの、これだけをもってHSPは遺伝する、と断ずることはできません。

仮に遺伝子検査などを行ったとしても、それによってHSPだと断定できるような遺伝子は、研究結果を見渡す限りは見つかっていないようです。

ただ、祖父母や両親、あるいは同兄弟間などの血縁者にHSP・HSCが見られるケースが多いことから、HSPは遺伝的な性質を持つのではないか、との見方が強い傾向にあります。

そこで今回は、この理由について掘り下げて考察することにしました。

なおHSPやHSCに関する詳細は、こちらをご覧ください。

>>HSPとHSCの違いについて

血縁者にHSPが多い理由とは

血縁者にHSPが多い理由は、一言で言えば「発覚しやすいためではないか」というのが私の解釈です。

この解釈について、順にご説明していきます。

アダルトチルドレンはHSPに近い性質を見せる

血縁者にHSPが多い理由の前に、HSPとよく似た性質を持つアダルトチルドレンについて説明させてください。

家庭内に不和がある家庭のことを、機能不全家族と言います。

機能不全家族の定義はさまざまですが、近年の代表例としては、いわゆる毒親と呼ばれるケースが分かりやすいでしょう。

毒親とは、文字通り子どもにとって毒と思えるほどの悪影響をおよぼす親のことです。

そして毒親のもとで育ち、人の目や顔色を伺う、気疲れしやすい、心を読もうとする、などのHSPと類似の性質を持つようになった子どもを、心理学的にはアダルトチルドレンと呼びます。

毒親・機能不全家族・アダルトチルドレンについて、詳細は下記もご確認ください。

>>毒親とは

>>機能不全家族とは

>>アダルトチルドレンとは

HSPは人間関係における歪みを受けやすい

HSPにはDOESと呼ばれる4つの特徴がありますが、その中でも遺伝的性質として注目されやすいのが「共感能力の高さ」です。

  • D(Depth of processing):深い洞察力を持つ
  • O(Overstimulation):過剰に刺激を受けやすい
  • E(Empathy and emotional responsiveness):共感力が高い
  • S(Sensitivity to subtleties):ささいな変化に気づく

HSPは高い共感能力の影響により、人間関係における歪みをダイレクトに受け取ってしまう傾向があります。

歪みとは、例えば「成績が悪いと体罰を受けるのが当たり前」といった、その環境における特殊なルール(習慣やクセ)のことです。

体罰ほど極端であれば、明らかにそのルールがおかしいことは分かりますが、仮に「成績が悪いと親の表情が少し曇る」というルールがある家庭の場合はどうでしょう。

親からすれば、意識して表情を曇らせたわけでもないでしょうし、子どもからしても、気づかない子は気づかないかもしれません。

しかし共感能力の高いHSP(HSC)の場合は、そのルールを、体罰を受けたのと同じくらい強制力が強いものと感じる傾向があります。

すると、一般的には機能不全家族と呼ぶような範疇ではない養育環境だったとしても、アダルトチルドレン的性質を見せるようになるのです。

そして、アダルトチルドレンになったことがきっかけでHSPという気質に目が向く、という流れをたどります。

受け取った歪みはそのまま子へと伝えられる

さらに、親がHSP(あるいはアダルトチルドレン)として受け取った歪みは、そのまま家庭内のルールとして子へ伝えられるのです。

ルールは、家庭内の交流が密であればあるほど強く伝播することになります。

たとえルールがささいなものだったとしても、親から子へ、兄から弟へ、周囲のあらゆる人から同じように接せられれば、そのルールは強く強く根付いていくでしょう。

そしてルールに気が付くのはHSP的性質の強い人だけであり、HSP的性質の弱い人が多ければルールは根付かないことになります。

HSPが多い家庭ではHSPを自覚しやすい

このことから、誰かひとりがHSPである場合にはその歪みがルール化しないのに対し、家庭内にHSPが多ければ多いほど、その歪みはルールとして定着しやすい、と考えることができます。

つまり、血縁者にHSPが多い人ほどHSPを自覚しやすくなるのではないでしょうか。

これは裏を返せば、血縁者にHSPが少ない人ほど自分がHSPに気が付けるチャンスが少ないとも言えます。

そのため、「HSPは遺伝だから、血縁にHSPがいなければHSPではないのだろう」と無理に納得する必要はありません。

HSP的性質があると思ったのなら、ぜひエレイン・アーロン博士が提供しているセルフテストなどを利用してみてください。

>>HSPセルフテスト

まとめ

HSPが遺伝するか否かについては、具体的な遺伝子こそ見つかっていないものの、遺伝するという見方が大勢のようです。

ただ遺伝するといっても、「人類の中で脈々と受け継がれてきた」といったニュアンスが近く、例えば病気かなにかのように、自分がHSPだから子どもを産めば遺伝してしまう、などと心配する必要はありません。

もし子育てに不安のある方は、HSC(Highly Sensitive Child)への対処法が多く収録されたエレイン・アーロン博士のこちらの著書をご覧になってみてください。

お子さんのことをより深く理解できるようになり、きっと勇気づけられるはずです。

タイトルとURLをコピーしました