バーナム効果の概要と使い方|占いや心理テストがよく当たる人へ

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どうして占いってよく当たるのだろう?こんなにシンプルな心理テストでこんなに言い当てられるなんて……。それ、バーナム効果による錯覚かもしれません。

今回は、バーナム効果という心理現象について、その概要と使い方を解説します。占いや心理テスト、血液型診断がよく当たると感じている方は、最後の注意点まで含めてぜひしっかりチェックしてください。

バーナム効果とは

それでは、まずバーナム効果の概要について解説します。

バーナム効果は認知バイアスの一種

バーナム効果とは、何らかの準備行動を伴うことによって、誰にでも当てはまるような内容を、まるで自分や自分が属する特定の特徴をもつ集団だけが当てはまるように感じてしまう現象のことです。

たとえば、各種占いや血液型診断、心理テストなどがわかりやすいですね。

「おとめ座のあなたは~」「O型のあなたは~」という診断結果に対して、当たっていると感じたことのある方は多いのではないでしょうか。

バーナム効果の由来「誰にでも当てはまる要点」とは

なぜこの心理現象をバーナム効果と呼ぶかというと、サーカスの生みの親であるP・T・バーナムの言葉が由来となっています。

「we’ve got something for everyone(誰にでも当てはまる要点というものがある)」という言葉に因んで名付けたそう。

この言葉にも表れている通り、実際にP・T・バーナムはバーナム効果を効果的に活用した興行師でした。

「誰にでも当てはまる要点」とは、具体的には次のようなもののことを言います。

  • 人は誰でも似たような理想を持っている
  • 人は誰でも自分自身の成長は幸せを望んでいる
  • 人は誰でも他人に親切でありたいと望んでいる
  • 人は誰でも苦労や悲しみの経験を持っている
  • 人は誰でも他人に言えない・言いたくない秘密をひとつは持っている
  • 人は誰でも他人を平均的だと思い込んでいる
  • 人は誰でも自分を個性的だと思い込んでいる
  • 10代では身体的特徴や学校、恋愛の悩みを抱えやすい
  • 20代では恋愛や仕事の悩みを抱えやすい
  • 30代では家庭やキャリアに関する悩みを抱えやすい
  • 40代では子どもや健康、将来のことに関する悩みを抱えやすい
  • 50代では健康や老後、介護などの悩みを抱えやすい

この内容をちりばめるだけでも、バーナム効果の生まれやすい表現になります。

P・T・バーナムについては、映画『グレイテスト・ショーマン』を見ると分かりやすいですよ。

バーナム効果の実験

バーナム効果を検証した、アメリカの心理学者バートラム・フォアの行った実験概要は次の通りです。

  • 被験者に心理テストを行う
  • 心理テストの結果とは無関係に事前に用意した診断結果を伝える
  • 診断内容は「あなたはロマンチストである」「あなたは元気にふるまっていても実は不安を抱えていることがある」などの普遍的なもの
  • 診断結果を伝えられた多くの被験者が、その診断を適切なものだと感じてしまう

ちなみに、この実験を行った心理学者の名前から、バーナム効果はフォアラ―効果とも呼ばれます。

バーナム効果を生み出す4つの条件・原因

また、その他の実験・論文なども鑑みると、バーナム効果は次の4つの条件によって生まれると考えられます。

  1. あなた個人に向けられた言葉であること
  2. 権威性のある人・物からの言葉であること
  3. 前向き・ポジティブな表現であること
  4. マルチプルアウトな表現であること

あなた個人に向けられた言葉である(と感じられる)こと

バーナム効果が生まれるためには、まずその言葉が「個別なものである」と感じられることが必要です。

これは記述などの表現そのものよりも、事前の診断内容などがそれらしいかどうかが重要。

テストをせずに渡される診断結果よりも、テストをしたあとで渡された診断結果のほうが信じやすいということです。

権威性のある人・物からの言葉であること

次に、その言葉が権威性のある人や物から発せられたものであればあるほど、よりバーナム効果は生まれやすくなります。

たとえば、占いを始めて1ヵ月の人より、占いを30年やっている人の話の方が真実っぽく感じますよね。

その他にも、10人のデータから作られた心理テストよりも、1000人のデータをもとに作られた心理テストのほうが信ぴょう性があるように思えたりします。

前向き・ポジティブな表現であること

そして診断内容は、前向きでポジティブなものであるほどバーナム効果に繋がりやすくなります。

これには、「前向きなことを信じたい」というプラシーボ効果も関わってくるようですね。

ちなみに、ネガティブな表現や厳しい表現があったほうが信じられるように感じるのは、どちらかというと権威性を強める演出のひとつと考えたほうがよいでしょう。

マルチプルアウトな表現であること

最後に重要なのが、マルチプルアウトな表現であることです。

これはつまり、「曖昧でどちらともとれる解釈のできる表現である」ということ。

断定せず、複数の解釈ができる表現にすることで、人は自分に都合のいい解釈を自由にすることができます。

人は、自分に都合のいい情報だけを取捨選択する「確証バイアス」という認知バイアスがあり、確証バイアスにとらわれている人ほど、どちらともとれる表現を好むんです。

当たっていない表現はあまり見えず、当たっている(と感じる)表現ばかりに目が向いてしまうんですね。

参考The “Barnum effect” in personality assessment: A review of the literature[Dickson&Kelly,1985]

バーナム効果の使い方

それではここからは、バーナム効果の使い方についてシーンごとに解説します。

ビジネス:主語の言い換えと数字の使い方が肝

ビジネスシーンで使われるバーナム効果は、たとえば営業トークやキャッチコピーなどが代表的。

「皆さんに使っていただきたい」よりも、「あなたに使っていただきたい」のほうが、個別のメッセージ感が強まります。

権威性を強めるためには、研究・調査などに費やした数字を示したり、関わった著名人を表に出すというのが効果的。

一方で、マルチプルアウトな表現にするためにはあえて数字をぼかすのも有効なテクニックです。

「40代の方へ」と断定するよりも、「しわが気になってきた方へ」とぼかしたほうが、よりバーナム効果を期待できます。

恋愛:「誰にでも当てはまる要点」を徹底的に意識

恋愛でバーナム効果を狙うなら、前述した「誰にでも当てはまる要点」を意識して会話をするだけでOKです。

「あなたはロマンチストなところがあるね」とか、「元気にふるまっているように見えて実は不安を抱えているのでは?」などなど。

これによって、信頼感をつかみ取れるというよりも、「分かってくれているのだ」という安心感を与えることができます

初対面のぎこちない状態を緩和するために使うのにも便利な方法ですが、むしろ付き合いの長いカップルや夫婦にこそ使ってほしい方法です。

占い・心理テスト:マルチプルアウトな表現に気を付けて

占いや心理テストに関しては、される側の立場で気を付けたいバーナム効果についてです。

占いや心理テストで用いられる表現は、基本的にマルチプルアウト――つまり曖昧で複数の解釈ができるような言葉が用いられます。

そうした言葉・表現を巧みに使う話術をコールドリーディングと言ったりしますが、これは何か根拠に基づいた診断ではなく、ただの心象操作です。

星座占いや血液型診断などに限らず、タロット占いやMBTI性格診断テストなども同様に、バーナム効果は発生します。

得られた内容は参考程度にとどめ、診断に過度な信頼を置かないように気を付けてくださいね。

まとめ:くれぐれも悪用しないように注意

バーナム効果は、狙って利用すれば人の心をかなり自由に操作することができてしまいます。だからこそ、悪用は厳禁です。

倫理的によくないというのもひとつの理由ですが、あからさまにバーナム効果を狙った表現は、いまどき簡単に見破られてしまいます。

それによって失う信頼のほうがよほどマイナスに繋がりますので、むやみやたらと使うのではなく、「より信頼感を得たいときのいち手法」として頭の片隅に置いておいてくださいね。

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